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成年後見制度

成年後見制度についてーその3ー

皆様、おはようございます。

今年も昨年に引き続き、コロナ禍の中で制約された大型連休でした。
我が家では、おうちでベランダ焼肉を楽しんだり、娘と姪とで公園にほっこりとお散歩に出たり、、はたまた、自宅の物置部屋を猛烈に片づけたり、それりに有意義な休暇を過ごすことができました。

さて、今回は本ブログ第10回、成年後見制度について3回目の投稿をさせていただきます。
成年後見制度の概要、詳細について、書きたいと思います。


【成年後見制度とは】
ご本人の判断能力の低下の程度により、後述する類型があります。その方がどの類型に該当するか、医師の診断書等、また場合によっては医師が鑑定を行い、総合的に家庭裁判所が判断を行います。
申立により家庭裁判所によって選任された後見人等が本人に代わって財産や権利を守り、本人を法的に支援する制度です。

【成年後見制度の類型】
1.後見:判断能力を全く欠く方が対象となります。
後見人には、被後見人の財産管理や法律行為を代わりに行う代理権が与えられます。(※1)
※1被後見人の居住用不動産の処分等、一定の不動産の売却等については、家庭裁判所の許可が必要

2.保佐:判断能力が著しく不十分な方が対象となります。たとえば不動産を売買する等の重要な財産処分行為を行う際には、誰かの支援があった方が良い方等、ケースは様々です。
保佐人には、被保佐人が行う重要な財産に関する行為について、同意権、取消権が与えられます。
重要な財産に関する行為とは、例えば借金、訴訟行為、相続の承認や放棄、新築、増改築等で、法律で定められています(民法13条1項)。これらの行為を被保佐人が行うには、保佐人の同意が必要となります。
保佐人の同意なく被保佐人がこれらの行為を行った場合、取り消すことができます。保佐人の同意を必要とする法律行為は、家庭裁判所の審判により追加することができます。
また、家庭裁判所の審判により、特定の代理権を追加することもできます。

3.補助:判断能力が不十分な方が対象となります。たとえば家の新築など重要な財産行為について、一人で行うことが不可能ではないが、適切に行えない恐れがあり、他人の援助を受けた方が安心である、というような方等、ケースは様々です。
補助人には、家庭裁判所の審判により、被補助人が行う、上述民法13条1項の行為の一部について、同意権、取消権が与えられます。
また保佐人同様、家庭裁判所の審判により、特定の法律行為に対する代理権を追加することができます。

【成年後見制度申立の動機】
成年後見制度は、どのような場合に必要なるのでしょうか?主なものは下記の通りです。
(1)預貯金の管理・解約
(2)介護保険契約(施設入所通所等のため)
(3)身上監護(基本的な生活が送れているかを見守り、生活維持に必要な諸手続きを行う等)
(4)不動産の処分
(5)相続手続き

(2)の介護保険契約は、親族が代理すれば良い、と思われるかも知れません。しかし、本人は成人のため、親族に本人を代理する権限はありません。
(3)の身上監護とは、主に、本人の生活環境を整えるために法的な手続きを行うことです。たとえば、要介護認定の申請手続き、住居の確保、病院への入院退院手続き等があげられます。
(4)の不動産処分については、本人が所有する自宅の売却や賃貸用不動産等があれば、その管理、売却時には、家庭裁判所の許可のうえ、後見人等が本人に代わり手続きをすることになります。
(5)の相続手続きについて、相続財産が預貯金の場合、口座の名義変更等の相続手続の際に、判断能力が不十分な相続人には後見人等が必要となります。
例えば、法律で定めた割合(法定相続分)通りに相続しない場合には、登記の際、相続割合を協議したうえで遺産分割協議書を作成する必要があり、判断応力が不十分である相続人には
後見人等が必要となります。
ただし、法律で定めた割合(法定相続分)通りに相続する場合には、後見人等によらなくても相続登記手続きが可能な場合が多いです。

後見人等の業務については、前回のブログをご参照ねがいます。
以下は、逆に、後見人等の業務ではないこと(ケアマネージャーや、ヘルパー、訪問看護師等の業務)となります。
【後見人等の業務ではないこと】
日用品の購入のほか、下記、そして特に④⑤は、本人の意思決定によるべきものとされています。
①食事や排せつ等の介助等の事実行為
②医療行為への同意
③身元保証人、身元引受人、入院保証人等への就任
④婚姻、離婚、養子縁組・離縁、認知等の代理
⑤遺言

【後見人になれるのはどんな人か】
法律で定められている、後見人になれない人(民法847条「後見人の欠格事由」)以外であれば、だれでも後見人になることができます。
ただし、多額に財産を持っている方は後見人になれなかったり、家庭裁判所からの指示により、専門職後見人として司法書士等が選任される場合もあります。
後見人等は、申立後、家庭裁判所が決定をします。なお、家庭裁判所に後見人選任について不服を申し立てることは原則としてできません。

【後見人等の職務を行う上での注意点】
1.後見人等は、原則、ご本人が不自由なく暮らしていけるようにするために動きます。
たとえば、将来の相続に備えて贈与を行う等は、本人の財産を減額させることになるためできません。
2.後見等についての記録を見せてくれないこともあります。後見人等には、被後見人等の財産目録や記録を親族に公開する義務はありません。確認をしたい場合には、家庭裁判所に記録の閲覧・謄写を申請します。

【成年後見等の申立ができる人】
本人、配偶者、四親等内の親族。場合によっては、市区町村長が申立をする場合もあります。

【後見等開始の申立】
本人の住所地の家庭裁判所に申立を行います。
(後見や保佐には不要ですが、補助開始の審判の際には、「本人の同意」が必要です。)
(1)後見(保佐・補助)開始の審判の申立て
(2)審理
・申立書類の調査
・申立人、本人、後見人等候補者の調査
・親族の意向照会
・家庭裁判所の予備審問
・鑑定の実施(必要な場合)
(3)審判
・後見(保佐・補助)開始の審判(申立却下の審判)
・後見人(保佐・補助)選任の審判→後見人が誰になるのかが決定される。
・成年後見(保佐・補助)監督人の選任(必要な場合のみ)
(4)審判確定
・審判書受領後二週間で確定
(5)後見登記
・家庭裁判所から東京法務局に後見人、被後見人等の嘱託登記がなされる。

【私の思うこと】
後見業務に携わり、感じることは、やはりその煩雑さです。前回述べたので、申立必要書類は今回は割愛しましたが、その収集から始まり、本人の財産管理、身上監護。一口に言っても、ひと一人の生活に関わる金銭の管理は、細かく煩雑であり、正確な把握と、正確な管理、判断が求められるところが難しさであります。
また、後見人等は、単に被後見人等の財産管理および維持をするのみならず、被後見人の生活を向上させることも付加的な役割であります。
そのようなケースは、被後見人等が財産をお持ちの場合等に限られるため、なかなかないことではありますが、財産を活用する、といった役割が後見人等に求められることもあります。
その際には、本人の意思、自己決定権を尊重することも求められます。ご本人との意思疎通がなかなか難しい場面が多い中で、コミュニケーションを図ったり、意思を汲み取り尊重する、というのは単なる機械的な業務ではなく、心の奥底を推し量るような、難しさが伴うと感じられます。

以上、今回は、成年後見制度概要から、詳細について、少し深堀をしてご説明させていただきました。

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最後までお読み頂きありがとうございました。
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